Archi.etc

Architecture and Things

建築写真を撮るということ

取材やプライベートを通して何百、何千と撮ってきた建築の写真。

そしてそれがきっかけで建物の竣工写真の撮影を請け負うようになりました。

ふと思い立ち、ここでは建築写真を撮るなかで僕が意識していることについて、文章に残しておこうと思います。

改めて考えると、大きく3つ。取材はもちろんのこと、竣工写真を撮影するときに意識し大切にしていることは次のことでした。

図面だけでは読み解けない体験を撮る

撮る対象が建物である限り、たいていの場合にその建物の図面が存在します。

僕は建物の写真を撮るとき、必ず事前に図面を見る。そうすると「ここは絶対、設計者がこだわった所だ」「ここはこんな光が入るんだろうな」など建物のひととなりが見えてきて、撮りたいカットが浮かびます。

そして当日、それをもとに撮影を始めるわけですが、そんななかで「ここはこういう使われ方をするのか」「こんな意外なところに風景が映りこむのか」など、その場に立って初めて分かることが出てきます。

そうなればこっちのもの。事前に見ていた図面からは読み解けなかった体験を撮る。そうやって自分が感動した体験を記録していくということが、何より楽しくて大切なことだなあと感じます。

この記事のトップに設定している写真について言えば、防水工事が完成したばかりの竣工後、屋上の床面に映り込む夕景がとても美しいものでした。これは、少なくとも僕にとって図面からは予想もできなかった体験です。

 

訪れたひとを絶対にがっかりさせない

写真は良くも悪くも、当たり前の性質として「自分が切り取りたい構図」を自己都合的に切り取ることができます。

嫌だと感じた部分は構図から外せば良いし、反対に良いと感じたところは構図に入れるだけでなく構図に占める割合を増やすことだってできる。そして、それが許される。

ここで、たとえば竣工写真の場合は、その写真を見たお客様が実際にそこへ訪れるという展開があります。訪れる前にお客様が抱いているイメージは写真がもとになっています。

そう考えたときに、綺麗な部分だけを切り取ってしまい過ぎるということは、思いのほか危険なことだと感じます。実際に訪れたときに、がっかりを感じさせてしまってはいけないからです。

見せる部分と見せない部分の絶妙なバランス。それを常に意識することを大切にしたいと思います。

 

さりとて、めちゃくちゃ格好良く

そうは言っても、誰が見ても「格好良い!」と思える写真を。先に書いたことを含めて格好良い写真を撮るということ。それを忘れずに全力投球していきたいと改めて思うのでした。

 

ということで、最後に竣工写真の作例(クライアントのご承認をいただいた案件のみ抜粋)を掲載いたします。

もしも、竣工写真のご用命がございましたら、Twitterアカウント@y_tanakarchiのDMからお問い合わせください。

留学生用シェアハウス(2016.10撮影)

 

飲食施設(2016.12撮影)