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無垢材を使った木製家具のお手入れ方法まとめ

こんにちは、タナカユウキ(@y_tanakarchi)です。

 

肌は日頃のお手入れを怠ることによって、表面がカサカサしてきたり、なんだか調子良くないなぁと違和感を感じるということが、しばしばあります。

そして、それは人の肌だけではありません。

皆さまが使われている、木で作られた家具たちについても、それは同じこと。

冷暖房の使用によって室内の空気が乾燥し、それにより木肌の表面がカサカサになる。

日常的な使用によって、木肌に細かな傷や凹みが生じる。

 

そんなとき、どうしたら良いのでしょうか。

その答えとして、木製家具のメンテナンス方法について記しておきますので、必要なときに参考にして頂けますと幸いです。

 

 

木製家具 表面の仕上げの種類について

無垢の木で作られた家具、その表面の仕上げは大きくふたつに分かれます。

「ポリウレタン仕上げ」と「オイル仕上げ」の2種類の仕上げがあるのです。

今回のメンテナンス方法は後者の「オイル仕上げ」に対するものになります。まずは前提として、それぞれの仕上げの違いからご説明いたします。

ポリウレタン仕上げ

木の表面が、ウレタン樹脂でコーティングされている仕上げです。

ウレタン樹脂の成分が、表面で硬い膜を形成することで、木の表面がウレタンコーティングで覆われます。

付いた汚れがさっと落ちるのが特徴で、毎日のお手入が楽であることから多くの木製家具に採用されています。

その反面、表面のウレタンコーティングが剥げてきた場合、工場などでの特別な補修工程が必要となります。

この仕上げの場合、ウレタンコーティングによって、木の木目のボコボコがなくなり、つるっと硬い表面になりますが、同時に、木そのものの風合いが薄れます。

オイル仕上げ

一方こちらは、オイルフィニッシュとも言われ、いわゆる「天然の木の感じ」がしっかり感じられる仕上げになります。

ウレタンではなく、自然由来のオイルを木の表面に薄くのばして馴染ませます。

ごくごく薄いオイルの幕ができるだけなので、木目のぼこぼこ感が残っており、ポリウレタン仕上げに比べて、木の表面が柔らかい状態になります。

硬いコーティングが無いため表面に傷が付きやすかったり、水滴などを放置するとシミになったりと、デリケートであるのがこの仕上げの特徴です。

 

以上のとおり、大きく2種類ある木製家具の仕上げ。

木の家具が特に好きな方は、後者の「オイル仕上げ」の家具を選ばれていることが多いと思います。

オイル仕上げは、前述のとおりに傷が付きやすいなどの特徴がありますが、やっぱり天然の木の風合いは捨てがたいものです。個人的にも、木製家具はやっぱりオイル仕上げだろう!と思っています。

 

さて、この「オイル仕上げ」ですが、家具を使い込むうちにオイルが次第に抜けてゆき、撥水性が弱まったり、表面がカサついたりします。

そして、長く大切に使うためには、メンテナンスが必要になるのです。 

 

メンテナンスといっても、頻繁にやらなければいけないような大変なものではありません。

ぼくの場合は、だいたい1年に2回。

暖房や冷房をガンガン使って、木肌のツヤが無くなってきたかなぁと感じる4月と10月くらい。そのくらいのゆるいペースで、やっています。

準備するもの

▶︎紙ヤスリ(#240,#400,#800)

▶︎木片

▶︎適当な布

▶︎家具用オイル(個人的には、ケンドリンガー メーベルポリチュアというものが好きで、ずっと使っています)

 

工程0.かたづけ

まずは何より、片付けましょう。

今回はテーブルでご説明しますので、テーブルの上を片付けます。

 

工程1.ヤスリがけ

紙ヤスリは、#240,#400,#800の3種類。

数字が小さいものほど、目が粗いものになります。

 

ここでは、目の粗い紙ヤスリから順に、テーブルの天板を磨きます。

天板の上には、目に見えないものも含めてたくさんの汚れが付いています。ヤスリがけで、その汚れを落とすのが目的のひとつです。

さらに、粗い紙ヤスリ→滑らかな紙ヤスリの順で磨くことによって、天板の表面を整えて最後に塗るオイルが天板に馴染みやすくなる、という効果もあるのです。

 

ちなみに、紙ヤスリは3種類用意しましたが、#240,#400の2種類でも問題ないと思っています。

#800の紙やすりを使うことによって、ほんの僅かに天板の手触りが良くなります。こだわるレベルによって、お好みでどうぞ。

木片に紙ヤスリを巻きつけて作業を行うと楽なので、オススメです。ハンズなどで売っていますが、木片でなくても、手頃なサイズの物があれば代用して頂いて構いません。

木片サイズの参考までに、先ほどの写真で木片の上に立っていたデュポン氏の身長は6cmです。

いちばん目の粗い#240で天板をまんべんなく磨きました。

紙ヤスリには、汚れとともに細かい木の粉が大量に付いています。この木粉は、床にも落ちますので、あらかじめ新聞紙などを敷いておくと良いでしょう。(ぼくは気にせず、床に落として最後に掃除機がけをしていますが・・・)

#240→#400→#800の順に、ヤスリがけを行いました。木の表面は、木粉が浮いて白っぽくなっています。

このとき、木の表面を触ってみると指に粉が付くのと同時に、天板の汚れや傷がなくなりツルツルになっているのが分かるかと思います。

ちなみに、ヤスリがけを行うときは、木目の方向に沿って行うということをお守りください。木目に沿って行わないと、天板に傷が付いてしまうことがあるためです。

この工程は以上です。

意外と疲れましたか?ここまできたら、ほとんど終わったようなもんです。もう少しなので、楽しくやっていきましょう。

 

工程2.水拭き

天板に付いた木粉を取るように、固く絞ったふきんで水拭きをします。

水拭きをした直後は、一旦このように綺麗になりますが・・・

水分が乾いてくると、再び木の表面が白っぽくなってきます。

この白さは、木粉がまだ残っているわけではありません。

ヤスリがけによって、木の表面が薄く削り取られて、オイルで保護されていない木肌があらわになったためです。

人の肌でいうと、ゴシゴシ洗顔をして、化粧水や乳液をつけずに放置している状態。そのまま放置すると、肌が突っ張ってしまいますよね。

そこで次の工程で、木肌にオイルを塗りこみ、コンディションを整えてあげるのです。

 

工程3.オイル仕上げ

ここからは、いよいよ最後の工程。オイル仕上げです。

家具用のオイルには色々なものがありますが、個人的に好きなのは「ケンドリンガー メーベルポリチュア」というもの。

革製品のメンテナンスオイルなどを展開するTAPIR(タピール)社製のもので、オレンジの成分が配合されているのが特徴です。

このオレンジの香りが素晴らしく、メンテナンス後の家具からふわっとオレンジの香りがするのが最高で、作業中、気分がとても良くなります。(これ大事)

ちなみに、このオイルは木材だけでなく、金属や革製品のメンテナンスにも使えるので、とってもオススメ。僕はこれ1本をかなり広く使っています。

このオイルを適当な布に付け、天板全体に馴染ませてゆきます。

布については特にこだわることはないですが、目が細かく柔らかいものが扱いやすいかと思います。シャツの切れ端なんかで構いません。

オイルが全体に行き渡りました。

このように全体がつやつやしてきたら、そこで終わり。

オレンジの香りに包まれながら、15分ほど読書でもしていてください。

もし、オイルを余分に塗ってしまっている場合は、オイルが表面に浮いてきます。そこをから拭きをして、はい終了。お疲れさまでした。

15分後のから拭きは、オイルが浮いていなくてもしておいてください。から拭きを最後に行うことでオイルの馴染みが良くなるためです。

 

ちなみに、一点ご注意を。

オイルを染み込ませた布の取り扱いに注意してください。

オイルを含んだ布に太陽光が当たることで、自然発火する恐れがあります。

これはもう、滅多にあることではありませんが・・・布を捨てる時は、捨てるまで水に浸しておく、光を通さない袋や容器に入れて捨てるなどのご配慮をお願いします。

 

さて、これで無垢材を使った木製家具のお手入れは完了です。

 

あなたの周りにある木製家具。それらは皆、生きています。

家具という役目を果たすと同時に、呼吸をしているし、肌がカサつくことによってお手入れの必要性を伝えます。

そんなときに、少しばかりのメンテナンスをしてあげることで、家具はより長く持ち主に寄り添い、生活を支えてくれるのです。

▶︎以下、今回使ったもの。

#800は割愛します。

amazonは売り切れしがちなので、楽天がオススメです。

革製品のメンテナンスにも使えるこのオイルは、是非とも皆さまに、その素晴らしさを知って頂きたい逸品です。

こちらのフレーゲワックスは、メーベルポリチュアの固形版です。

オイルよりも扱いやすく、使い勝手としてはこちらの方がオススメなのですが、オレンジの香りはありません。

しかし、缶のデザインが秀逸なんです・・・!

 

それでは、今回の内容が皆さまのお役に立てば、嬉しいです。