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Architecture and Things

「JPタワー」三菱地所設計

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東京都は千代田区の「JPタワー」。
東京中央郵便局とゆうちょ銀行が入居する超高層オフィスビル。
過去のひと、そして、将来のひとたちがこの建物を見たとき、どういう想いを抱くのだろうと気になる建物です。


東京駅周辺には、下のほうのなんだか趣がある建物に、その上から高層ビルがくっついた建物がよく見られます。
「特例容積率適用地区」と名付けられた、このあたりでは、歴史的な建造物を保存するかわりに、通常よりも大きなビルを建てることができるという特例が認められます。

このJPタワーの低層階に一部保存されているのは、昭和6年に建築家 吉田鉄郎氏によって手がけられた[「東京中央郵便局舎」。
柱と梁の構造を大胆にみせた外観と、均等に配置された窓。


当時最新とされていた考え方で構造設計がされており、それが表に表れた外観は、気持ち良いくらいに素直ですっきりとしています。(この感じ、個人的にめっちゃ好き。)
もともと灰色だったタイルは、白くきれいに貼り替えられ、建物正面には真っ赤な四角いポスト。
そして、後ろにそびえ立つ高層ビル。


完成時、傑作とたたえられた建物は、最新の技術によって新しい姿に。
当時の方が今の姿を見たとき、何を想うのだろう。


ちなみに、『特例容積率適用地区』の考え方。最近きれいになった東京駅の修復工事にも用いられています。東京駅の場合は、もともと建てられるはず空間を他のビルに売ることで、修復にかかった多額のお金をまかなっています。

この地区では、「建てない空間」をたてもの同士で譲り合う。この原理によって、都心部に求められる高層建築と、歴史的な建造物の継承という2つの需要を満たしています。

機転を利かせた特例で、大切な建物を残す。
裏を返せば、そんな特例をつくってまでも高層ビルの建設が必要であるということ。


来たる2020年。
オリンピックの際には、より多くの観光客が訪れます。将来初めて日本に来てくださる方々は、東京駅周辺の在り方について、どんな想いを抱くのだろう。
久しぶりに足を運んだ東京駅で、ふとそんなことを考えるのでした。