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Architecture and Things

「ギャルリももぐさ・ももぐさカフェ」中村好文

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岐阜県は多治見市の「ギャルリももぐさ」。
陶芸作家である安藤雅信さんと、その奥さんによるギャラリーです。
山道をひたすら行った先に広がるその敷地には、築100年になる古民家を移築した「ギャルリももぐさ」。
そして、そこに併設された建築家 中村好文さんによる「ももぐさカフェ」が静かに営まれています。

今回は「外」と「内」の2枚構成にて。まずは「外」から。

こぢんまりとした看板から続く、細いアプローチを抜けると、長いあいだ大事にされてきたことが分かる大きな古民家が現れます。
中の様子がうっすらと見える入口の引戸は、この中がギャラリーなのかと疑うほど簡素でいて、趣のある佇まい。控えめな「開館」の立て札に思わず安堵。


中では、期間ごとの展示と、安藤雅信さんの器をはじめとした常設展示が並んでいます。
きらびやかな鑑賞品ではなく、美しい生活道具が並べられたギャラリーは居心地が良すぎて、つい長居してしまいました。
日常と密接に関わる道具たちだからこそ、この古民家で映える。それを実感しました。


「ももぐさカフェ」には、大きな窓が2面設けられていて。
その窓の前には、適度な太さの樹が均等な感覚で並んでいます。うるさすぎないその景色を眺めながら、またまた長居。
コーヒーはcoffee Kajitaの豆を挽いているそうで、とても美味しかったです。


最寄りの駅からは割と距離があるため、車かバスでどうぞ。
ちなみに、バスの本数が少ないので、ご注意を。

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引き続いては「内」について。

内部についても、古民家の間取りをそのまま生かした展示空間になっています。
できる限り照明を排除しつつ、自然光が上手く使われていました。


1階は、安藤雅信さんの奥さんであり、衣服作家の安藤明子さんによる展示がメインに。
縁側には、大判のストールが並べられていました。薄くて軽い生地が、自然光を浴びて光っています。抜けていく風にゆらめく様も、とってもきれい。

奥の床の間には、ミナペルホネンの展示がありました。
ミナペルホネン独特のパターン。それを光の少ない空間で見つけ、つい手に取ってまじまじと見る。
その流れで、「やっぱり生地の質感も良いんだよねえ」と仰っている方がいたのが印象的でした。


こういうふうに、物がどの空間でいちばん生きるのかが分かっているギャラリー運営者って、やっぱりすごいなあと思いました。

2階は、安藤雅信さんの陶芸作品が並んでいます。写真には載せていませんが、食器が整然と並べられた棚が圧巻でした。

全ての食器が魅力的に思える棚なんですが、「全部買いたい!」というよりかは、「この中から自分のとっておきを見つけたい」とわくわくしてしまうような棚でした。これは是非、実際の空間で。
また、ミナペルホネンのワンポイントがあしらわれた器が特別に置いてあって、それがとても可愛かったです。


窓際のカトラリーに添えられた花ひとつにしても、センスの良さを感じる空間でした。2階は特に、人が少ない開館直後で静かに過ごしたい。そんな場所でした。

最後に。
今の時期は、毛虫の大量発生シーズン。苦手な方は、みんな育ってどこかへ羽ばたいていった後に、どうぞ。