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アイルランドワーホリ中、3回以上通っているお勧めパブまとめ

神の酒・ギネスの国アイルランドには、お酒を通して社交を楽しむ「パブ」が多くあります。その数は本当に多く、国を支える収益のうち半分以上はパブ絡みのものと言われるほど。

しかし、パブで有名なテンプルバーエリアにある店舗など、ハズレが多いのもまた事実です。

観光客向けの騒がしいうえにお酒の値段はぼったくり。生演奏を餌に観光客を呼び込む店にも関わらず、聴いてみればロックソングをアコギで弾いて盛り上がっているだけ。友人との会話のために夜通し声を張り上げた結果、枯れる声に潰れる喉。

それはそれでひとつの文化なので、経験として上記のようなツーリスト向けのお店で飲むのも良いですが、それ以降はゆっくりとローカルパブを楽しみたいものです。

というわけで、この記事では「落ち着いてゆっくり飲める」「ちゃんとアイリッシュミュージックが聴ける」「ぼったくり要素ゼロ」という目線でお勧めのパブを紹介いたします。

なお、当記事は良いお店に出会うたびに内容が濃くなっていく随時更新型の記事となります。

パブではなく、カフェについて知りたい方はこちらをどうぞ!

 

 

Mary's Bar

ダブリンでいちばん美味しいサンドイッチをいただけるお店。個人的には平日のお昼過ぎ、混んでいない時間に訪れてランチビール(ギネス)とサンドイッチを頂くたびに「僕はこのためにアイルランドに来たんだなあ」と幸せに浸っています。

夕方以降は混み合ってくるので、ゆっくり過ごしたい方は時間帯にご注意を。また、このパブは定期的な生演奏はありません。

ちなみに、こんなことも当時つぶやいていました。

 

Grace's

まさに「地元に古くからある良きパブ」といった一店。定期的に店内でのライブが開催されているので、最新情報はお店の前の看板をご確認ください。

リタイアをキメたご高齢アイリッシュが雑談しているパブで、広すぎる店内が埋まることはまずありません。ゆっくり一杯やりつつ、ローカル感を味わうのに最適なパブですが、たいてい誰かに絡まれます。

 

The Portobello

生演奏が行われる系のパブではありませんが、静かすぎず騒がしすぎず、それでいてお酒の値段も良心的なバランスがとても良い一店。

値段の安さの理由は、目の前に語学学校があるからかもしれません。こちらの記事でも当パブについて触れているので、ご興味があれば合わせてご確認ください。  

 

大好きなお店が集まりましたら、また改めて更新いたします。

アイルランドワーホリ中、3回以上通っているお勧めカフェまとめ

【2017.9.26追記】

お酒を愛する人たちというのは、コーヒーにもまた並々ならぬ情熱を注ぐのだろうか。そんなことを思いながら、街中で漂うコーヒーの香りに誘われて今日もまたカフェで時間を縫っている。

ギネスやウイスキーはじめとしたお酒の文化が栄えるこの国では、パブの数と肩を並べるほどのカフェがあります。2016年には首都・ダブリンでWBC(World Barista Championship)も開催されるほどコーヒー文化の発展が続くアイルランド。

お酒を楽しむこととコーヒーを嗜むこと、そのあいだには「おしゃべりを楽しむ時間である」という共通点があります。陽気でおしゃべり好きの多いアイルランドでは語らう時間を楽しむために、お酒だけではなくコーヒー文化が栄えることはごく自然なことなのかもしれません。

そんなアイルランドの素敵なカフェたち。中でも僕がこよなく愛し3回以上通っているカフェをご紹介します。ワーホリやご旅行でアイルランドに来られる方にとって、有益な情報を提供できれば幸いです。

ここに掲載されるカフェはどんどん増えてゆくでしょう。なぜならば、この国には素敵なカフェがありすぎる。ありすぎている!

というわけで、当記事は良いお店に出会うたびに内容が濃くなっていく随時更新型の記事となります。

カフェではなく、パブについて知りたい方はこちらをどうぞ!

 

 

JOE'S COFFEE Montague St,

ここの2階席は特に至福。平日・休日問わずとても静かであり最もリラックスできるカフェ。他にも店舗がありますが僕は断然この店舗を推します。

 

IFI CAFÉ BAR

ゆっくり語り合いたいとき、特別な時間を過ごしたいとき。そんなときに行けば間違いなく幸せになれる場所です。具体的なご紹介は下記をどうぞ。

参考:

 

Kaph

ここのコーヒーは本当に旨い。ダブリンでいちばん旨いコーヒーを出してくれるのは間違いなくここです。

 

Wall and Keogh

こちらはオーガニックティーを専門に扱うお店ながら、コーヒーのクオリティも一級品。共通の友人を介して知り合った友人が働くお店でもあり、彼女が作るキャロットケーキがまた旨い。

ちなみに、キャロットケーキはこちらのスーパーで売られているケーキの定番でもあり、やわらかな甘さの人参入り生地とクリームチーズのフィリングの組み合わせが堪らなくて、僕はキャロットケーキを見かけるたびによく食べている。そうやって食べ歩いているなかで、今のところ「Wall and Keogh」のキャロットケーキがいちばん好き。

 

The Bretzel Bakery & Cafe

ダブリンでは良質なパン屋さんが少ないのですが、そのなかでもかなりレベルの高いパン屋さん。休日の朝早く、焼きたてのパンの香りが店内に漂っている雰囲気はたまりません。

特筆すべきはベイクドチーズケーキ。どっしり重めで少し酸味がある逸品で、僕は日本のベイクドチーズケーキが大好きなのですが、最もそれに近い味であると感じています。

 

Two Fifty Square

店員さんの接客が最高。この店に通うアジア人はお前以外見たことないな!と言われたことがあるけれど、たしかにアジアっぽい人がいない印象。

店員さんがけっこう日本語で「アリガトー!」とか言ってくれる雰囲気が微笑ましく、なんと店員さんの1人が日本人とのハーフ(しかも奈良出身)だそう。

コーヒーのレベルも高く、ハンドドリップで淹れてくれる数少ないお店です。

 

Books Upstairs

たぶんここを超えて好きになるカフェはないんじゃないかなあと思ってしまうくらいに、大好きなカフェ。好きすぎて紹介するのをためらったけど、一応。

 

大好きなお店が集まりましたら、また改めて更新いたします。

アイルランドワーホリ9ヶ月目を迎え、最も美味しいクリスプスを決める時がきた

「クリスプス」ってなに?

ギネスとジャガイモの国アイルランド。この国に住み始めて早いもので9ヶ月目を迎えました。

アイルランドでのジャガイモは、日本でいうところのお米。ジャガイモ飢饉とよばれる悲しい歴史も持ち合わせつつ、今もなお食卓ではほぼ毎日のようにジャガイモ料理が並び、ギネスと同様にジャガイモもまたこの国を語るうえで欠かすことができません。

「クリスプス」と呼ばれる食べ物がある。

ざっくり言ってしまうといわゆるポテチなのですが、作り手のこだわりや親しまれ方に日本との違いが見られます。

こちらでは単なるスナック菓子ではありません。パブでお酒と楽しむ肴として、カフェにも必ず置かれているほどの日常的な軽食として親しまれており、さらには食前にちょっとつまむ前菜的な食べ方をされるほど。(ちなみに補足ですが、アイルランドだけでなくイギリスを含む英語圏では「ポテチ→クリスプス」、「フライドポテト→チップス」と言い換えられます)

それだけに味は一級。クリスプスに込められた熱い想いはプロダクトとしての品質に直結し、「まあ、ようはポテチやで」と一言で片付けることのできない魅力が詰まった嗜好品でありました。

そんなクリスプスですが多くのフレーバーが存在し、イギリス圏を含む競合各社が製造販売しており、良品を選ぶのも一苦労。

加えて、現在日本ではポテチの品薄につながるほどのジャガイモ不足が続いていると。

というわけでこの記事では、ジャガイモ不足の日本からジャガイモを求めてアイルランドに渡航される方、アイルランド在住の方に向けて、どのクリスプスが最も美味しいのかについて僕なりの目線で書き残しておきます。

 

評価基準について

前提としてフレーバーを絞ります。通常の塩味やオニオン&チーズ、サワークリームなどの多くのフレーバーがありますが、今回対象とするのは「ソルト&ビネガー」。

理由は、僕が常飲するギネスに最も合うフレーバーであるため。

ギネスビールは深いコクとモルトを焦がしたことによる苦味が特徴である神のお酒ですが、その味にマッチするのが「ソルト&ビネガー」。もちろん独断です。

以上の理由から今回はフレーバーを限定させていただきます。(そもそもフレーバーを絞らないと数が多すぎて、僕が太ってしまいます)

そして評価基準は、以下の3つ。

 

1. 厚み

食感の心地よさを左右するのはクリスプス1枚ごとの厚み。個人的に分厚くて食べ応えがあるものが好みなので、厚みがあればあるほど高評価としています。

なお、厚みを計測する機器・ノギスを日本に置いてきてしまったので、厚みの計測が目測であることをご了承ください。

2. バランス(塩気と酸味のバランス)

今回対象とするソルト&ビネガーは塩気と酸味のバランスがなにより大切。

どちらかに偏ってしまうとクリスプスとしてのトータルバランス、ギネスとの相性が損なわれてしまうことが分かりました。したがって、今回の評価基準のひとつとします。

3. ジャガイモ感

これは食べた時に、野菜としてのジャガイモの風味がどれだけ感じられるかを示したもの。

目安としてはカルビーのポテトチップスのジャガイモ感を最低値、じゃがポックルのジャガイモ感を最高値とします。

カルビーのポテチの時点でそこそこジャガイモ感はあると思うので、それを最低値としている今回の基準は「けっこう厳しめ」ということになります。

 

ちなみに金額についてはだいたい1袋2〜3ユーロあたり。販売店やディスカウントの状況により金額の変動があるため、今回の評価軸から金額は除きました。

日本のものと比べると高めの印象ですが、単なるスナック以上のクオリティのため金額には見合っていると感じます。

 

品評会場

1. Keogh's

厚み ★★★☆☆

バランス ★★☆☆☆

ジャガイモ感 ★★★☆☆

アイルランド国内のスーパーで最も目にするクリスプス。Keoghは「キーオ」と発音し、アイルランド国内ではよくみかけるサーネームです。

パッケージの色味のコントラストから、陳列棚のなかではもっとも目を引きやすいパッケージデザインであることも特徴。

そこそこの厚みがあるため食べ応えは満足できるものですが、味についてはやや酸味が強い印象。

使用しているお酢がリンゴ酢なので、酸っぱすぎるということはありませんが、塩気とのバランスという目線でいうとまだまだといったところです。

ちなみに厚みはこんな感じ。日本のポテチと比べると分厚いですが、アイルランドではこの厚みが標準となります。

このクリスプスがグルテンフリーであることが関係しているのかはよく分かりませんが、1袋を食べきっても胃もたれ感はまったく無し。バランスの良さが感じられる一品です。

総括すると、可もなく不可もなく万人に好かれるオールラウンダー型のクリスプス。

 

2. TAYTO BISTRO

厚み ★★☆☆☆

バランス ★★☆☆☆

ジャガイモ感 ★★☆☆☆

アイルランド発祥のスナック菓子企業「TAYTO」によるクリスプス。

この企業はTAYTO PARKとよばれる遊園地まで保有しており、ある意味で企業としての国への貢献度は高いといえます。

可愛らしいマスコットキャラクターが特徴で、スーパーではこのキャラクターがデザインされたスナック菓子をよく見かけます。

肝心のクリスプスの評価については、それほど高くはありません。

ビネガーの酸味が強すぎます。ギネスのお供ならまだ許せますが、たとえば映画を観ながらクリスプス単体でいただく場合などは要注意。お酒がないと味が濃すぎる印象です。

厚みは標準よりもやや薄く、物足りなさを感じざるを得ません。

厚みがそれほど無いうえに、クリスプス内の気泡が多い。それでいて脂っこすぎるという質量と胃もたれ感との関係性に矛盾まで孕んでいるという点で納得できない一品。

アイルランドのバリントン大使はTAYTOのチーズ&オニオンがお好みとのことなので、僕は大使とは馬が合わないと推測します。

総括すると、パッケージの高級感とBISTROというネーミングに品質が追いついていない残念なクリスプス。

 

3. O'Donnells

厚み ★★★★☆

バランス ★★★☆☆

ジャガイモ感 ★★★★☆

こちらもアイルランド発祥である企業「O'Donnells」によるクリスプス。

クリスプスの製造を始めたのは2010年と比較的歴史が浅いながらも今では、アイルランド国内での流通量ナンバー1という地位に就いています。

クリスプス1枚1枚の大きさは小さいものの、しっかりとした厚みがあります。

ピンクの皮が側面に残っており、さらにポテトの黄色味が強いことから見た目から食欲を掻き立ててくれます。

見た目のとおりジャガイモの風味も強く、塩気と酸味のバランスもなかなか。使われているお酢がリンゴ酢であることから、酸味のなかに甘味すら感じられる一品。

おそらくクリスプス1枚ごとのサイズが小さいため、油で揚げた際に発生するクリスプスの湾曲具合が強め。しかしながら、その曲がり具合がある種の野性味を醸し出していて決してマイナス点ではありません。

総括すると、国内ベストセラーというのにも納得できるクリスプス。

 

4. KETTLE

厚み ★★★★☆

バランス ★★★★☆

ジャガイモ感 ★★★☆☆

こちらは使われているお酢がバルサミコ酢という珍しいクリスプス。

とはいえ変わり種によくある奇をてらった感はまったくなく、塩気と酸味のバランスはかなり高いと感じました。

個人的にバルサミコ酢独特のコクの深い酸味が好きなのですが、それがしっかりと感じられる点で全国のバルサミコファンには堪らない一品。

クリスプス1枚1枚がとても大きく、今回食べたもののなかでは最大。

光を透過する佇まいが非常に美しくて、芸術的な目線でいうと間違いなく今回のトップになるでしょう。

厚みについても標準よりやや分厚く、しっかりと食べ応えがあります。

仮にフレーバーの味が全体的に強いとすると食後に苦しさを感じそうなボリュームですが、バルサミコ酢のまろやかな風味から軽く食べてしまえる一品でした。

総括すると、バルサミコファンには堪らないアイルランドが誇る芸術的クリスプス。

 

5. Hunky Dorys

厚み ★★★☆☆

バランス ★★☆☆☆

ジャガイモ感 ★★☆☆☆

Hunky Doryとは「素晴らしい」という意味をもつ表現ですが、特に素晴らしい商品ではありません。

味についてはお酢の風味が強すぎて、塩気とのバランスは悪い部類といえます。

いわゆるギザギザ系のクリスプスであり、ギザギザ部門ではトップセラーの商品だそう。

部門が限られているとはいえ、このレベルの味でトップセラーという事実には部門全体のレベルの低さを感じざるを得ません。

ギザギザであるだけに厚みというか食べ応えはありますが、どうしても味のレベルの低さが足を引っ張ってしまいます。

食感の面白さはあると思うので、パーティーなんかで多くのクリスプスを持ち寄るときに1つあると通常のクリスプスに飽きた時に役立つかもしれません。

総括すると、他の美味しいクリスプスを引き立てるために生まれた悲しきモンスター的クリスプス。

 

6. Pringles

厚み ★☆☆☆☆

バランス ☆☆☆☆☆

ジャガイモ感 ★☆☆☆☆

こちらはクリスプスというよりかは、日本でもおなじみのプリングルス。アイルランドでは「ソルト&ビネガー」のレパートリーがあるのでご紹介いたします。

味についてはお酢の酸味があまりにも強く、唇がじんじんと痛みを伴うレベル。とても食べられたものではありませんので、味については論外とさせていただきます。

食感についてはおそらく皆さまが食べ親しんでいるプリングルスと、特に変わりはありません。

厚みについても日本のものと大差はなく、こちらの基準でいうとむしろ薄いくらいのレベルになります。

そもそも味が論外であるという点で食べる価値はありませんが、総括すると、空になった容器はなにかしらの工作に使えるプリングルス。

 

7. Passions

厚み ★★☆☆☆

バランス ★☆☆☆☆

ジャガイモ感 ★★★☆☆

アイルランドのスーパーマーケットのなかでは、比較的ローコストのスーパーで購入できるクリスプス。

味については塩気が強すぎます。特に後半からは大粒の塩が固まっていることが度々あり、食べるという行為に辛さを感じました。

やはりローコストであることから、クリスプス全体に満遍なく塩をまぶすなど「丁寧さ」を担保するための設備投資が甘いと推測されます。

クリスプス1枚ごとの大きさは小さめで、側面の皮の残り具合としては良い雰囲気が出ています。

いわゆる岩塩みたいな大粒の塩を使用しているところに、なんとなく高級感を感じるところではありますが、1枚ごとのサイズが小さいクリスプスに大粒の塩が偏ってしまう後半戦はやはり辛いものがありました。

見た目は良いだけに、味のレベルの低さにはがっかりです。

総括すると、ローコストには理由があることを僕たちに教えてくれる社会勉強のためのクリスプス。

 

8. WALKERS

厚み ★★★☆☆

バランス ★★★★☆

ジャガイモ感 ★★☆☆☆

やや低評価のクリスプスが続いてしまいましたが、こちらは恐らく多くの日本人に受け入れられるだろう「WALKERS」のクリスプス。

ソルト&ビネガーの風味は全体的に控えめで、厚みは日本のポテチとほぼ同じです。

薄いので、特に後半戦では細かく砕けてしまっている個体と対峙することになりますが、むしろこの現象はカルビーあるあるという点で日本を思い出しながら完食。

一方で、さすがはクリスプス。カルビーのポテチよりもジャガイモ感はしっかり感じられるという良いとこどりな一品です。

総括すると、ワーホリでアイルランドに染まり始めたころに食べたい、日本人がノスタルジーに浸るためのクリスプス。

 

9. PIPERS

厚み ★★★★☆

バランス ★★★★★

ジャガイモ感 ★★★★★

さて、最後にご紹介するこちらの一品。「PIPERS」が僕がアイルランドで出会った最も美味しいクリスプスです。

まず袋を開けた瞬間のジャガイモの香りが、他のものと比べものにならないほど素晴らしい。良い原料で丹精込めて作られていることが一瞬で分かるレベルでした。

クリスプス1枚1枚の大きさはちょうど良く、味については塩気と酸味ともに控えめ。

その控えめさがかえってジャガイモの風味を引き立てていて、これ単体で食べてもギネスと一緒にいただいても満足度の高いものでした。

ほんの気持ち程度、厚みは薄いかと感じましたが特に問題ないレベル。

適度な厚み、ジャガイモ感の強さにより控えめな味がむしろメリットになっているというトリッキーな味覚のつかみ方は、2002~4年最盛期の須藤元気の試合を彷彿とさせます。

ちなみに、パッケージも可愛いです。

一点問題をあげるとすると、売っているお店が少ないことでしょうか。むしろそのレア度が興奮を掻立ててはくれますが、もっと身近にあってほしいという欲求も感じざるを得ません。

総括すると、僕これめっちゃ好き。

 

「フムス」を付けて食べることについての考察

最後に少しだけ道を逸れて終えたいと思います。フムスという食べ物をご存知ですか?

フンムスあるいはフムス、ハマス(アラビア語:حُمُّص ḥummuṣ, トルコ語:humus、ヘブライ語:חומוס)は、ゆでたヒヨコマメに、ニンニク、練り胡麻、オリーブオイル、レモン汁などを加えてすりつぶし、塩で調味したペースト状の料理。(出典:wikipedia)

トルコ、ギリシアなど中東の広い地域で食べられている伝統的な料理だそうで、そのヘルシーさから昨今では健康に気を使う方たちの間で好まれている料理だそうです。

ちなみに僕は松浦弥太郎さんの「くらしのきほん」で、フムスの存在を知りました。

kurashi-no-kihon.com

個人的に尊敬している松浦弥太郎さんが言及しているのならばと、ずっと気になっていたフムス。

得体の知れないお洒落さハードルと、「そもそもお腹満たされるのこれ?感」から購入を躊躇しておりましたが、クリスプスに付けたら美味しいのではないかという仮説から購入にいたりました。

さっそく付けて食べてみたところ、フムスがもつ豆の濃厚な風味が口のなかに一気に広がり、その後にふわっと訪れるソルト&ビネガーの塩気と酸味。

フムスのやさしさがクリスプスの個性を和らげるようなイメージでしょうか。

 

想像よりもフムスの味が強く「フムスって結構美味しい、フムス!」となりましたが、クリスプスとの相性は良くないというか、一言でいうと珍妙な組み合わせ。

むしろフムスもクリスプスも主原料を考えるとどちらも炭水化物なので、やや炭水化物を摂りすぎているという事実に気づいて少しイラっとすらしてしまいました。

 

というわけでフムスとクリスプスと合わせて食べるメリットは特にありませんので、ご注意ください。お洒落っぽいことは必ずしも正解ではありません。

アイルランドワーホリ中の部屋探し方法と、良い物件に出会うコツについて

こちらの記事はダブリンをはじめとしたアイルランド国内に長期滞在する方向けの記事となります。

 

近年、アイルランド国内では家賃の高騰やそもそも部屋が少ないという理由から、部屋探しが年々難しくなっています。

アイルランドに長期で住んでいる方でさえも部屋探しは難しいという現状で、特にワーホリで初めて現地に来た方にとって部屋探しは大きなハードルになっているようです。

そんなハードルが少しでも下がるように、この記事では部屋探しの際に使うべきウェブサイトとコツ、僕の経験を書き残しておきたいと思います。

 

アイルランドの部屋探しならこれ!最もメジャーな「daft.ie」を使う

部屋を探すならとりあえず「daft.ie」と言われるほど多くの方が使っているもの。現地では不動産売買などにも使われているサイトですが、部屋探しにおいても多くの方が利用されています。

探し方はいたってシンプル。トップページから「To Rent」を選択し、部屋を探したいエリアと部屋のタイプを入力して「Search」ボタンを押します。

その先の画面からは家賃の予算や、その他の細かな条件を絞る追加検索(Searchボタン下にある「Advanced Search」というもの)を行うことができます。

この追加検索を行わないとかなりの量の部屋候補があがってしまうので、ご自身の条件に合わせて適切に絞っていきましょう。

daft.ieで部屋を探すときのコツ3つ

1. エリアは絞りすぎない

圧倒的な治安の良さとダブリン中心部へのアクセス、カフェの豊富さなどから、住む場所は「Dublin 6」がお勧めなのですが、まずは候補を増やすためにエリアは絞りすぎないことをお勧めします。

また個人的にはダブリン市内を渡るリフィー側の北側エリア(Dublin1,3〜などの奇数番号)はお勧めしていません。ダブリンでは少なからずティーンエイジャーによるアジア人への差別の話がありますが、北側ではそういったティーンエイジャーが多く、嫌な思いをする機会が増える可能性があるためです。そもそも街の雰囲気が好きじゃなく、犯罪率も高め。人により選択の仕方はいろいろあると思いますが、僕ならば絶対に住みません。

まずは「Dublin2,4,6,6w,8,10,12,14」あたりのエリアで部屋探しを進めると良いでしょう。

 

2. とにかくメールを送りまくる

良い候補があったとしても、まずは部屋の内見(ビューイング)に行けなくては意味がありません。部屋の競争率が高いこともあり、部屋のオーナーから連絡が返ってくることは多くないため、まずは手当たり次第にメールを送るのがお勧め。

僕の場合は、自分の人柄をちゃんと表現したメールの定型文を作り、それを気になった部屋のオーナーにとくかく送りまくっていました。

送りすぎて、オーナーから返信がきたときに「あれ、これってどういう部屋だっけ…?」となることもしばしばですが、そのときに「やっぱりこの部屋は違う」となればそのまま放置(オーナー自身も、誰にメールを返して誰から返信がきていないかなんて気にしていません。)。気になる部屋であればそのままビューイングの日程調整に入るという流れです。

参考までに僕が送っていたメールの定型文を掲載しておきますので、ご自分の情報にアレンジをして有効に使ってください。

ポイントは、基本的に相手の日程に合わせる姿勢(オーナーは多くの申し込み者のビューイング日程を組むのに大変であるため)、自分は何をしている人なのかという基本情報を忘れない、日本人のイメージを有効に使う(アイルランドでは日本文化の人気が高く、日本に対するイメージは悪くありません)あたりのことに気を遣っています。

Hi, ◯◯◯
My name is Yuki from Japan. If it's possible, I would like to go to a viewing when you are free.

I'm male, 28 yeas old. I worked as an architect and architectural photographer in Japan. Now, I'm working as a photographer for a language school.

My favorite pastime is watching movies, reading books, and cooking. (Of course, Japanese foods.) And I'm a tidy person!
Please let me know if I could have a chance to see your flat.
Kind Regards,
Yuki

日本食作れますアピールが凄いですが、料理は苦手(むしろ嫌い)です。

 

3. ビューイングでは聞き漏れのないように

実際のビューイングで聞くべきことはしっかりと準備して臨みましょう。

家賃の認識に間違いがないか、どういった支払い方法になるのか、どんな国籍の人たちが住んでいるのか…など聞きたいことはノート等にまとめておくと落ち着いてビューイングできるはず。

ちなみに当日聞き漏れてしまっても、後からメールで確認できることが多いのでそれほど不安になることはないと思います。

 

意外と返信が多い、Facebook上の部屋探し用ページを使う

Facebook上にもいくつかの部屋探し用のページがあります。主要なものは以下の2つ。

・The Ideal Flatmate Dublin
・Flatmate Dublin

部屋を出るために次の住み手を探している方たちにより、ほぼ毎日、新しい部屋が上がっています。

利用してみて感じたのはdaft.ieよりも返信率が高かったということ。お互いの人となりがプロフィールでも確認できるというFacebook特有の安心感があるのかもしれません。

僕は前述のメール定型文を使用して、フェイスブックページでも部屋探しを行っていました。

注意点としては、投稿された情報がざっくりであることが多いので、投稿者に部屋の詳細を確認しなくてはパターンがよくあることと、治安の良いダブリン南側エリアの情報が少ないことが挙げられます。

したがって、「daft.ie」との併用で部屋を探すことをお勧めいたします。

 

日本人同士という安心感、アイルランド在住日本人専用「MixB」を使う

MixBといえば海外在住の日本人コミュニティを支えるウェブサイトですが、アイルランド版もあります。部屋を探すためのコーナーも設けられており、いちばんのメリットは日本人同士でやりとりができるという安心感でしょうか。

物件数は少なめですが、部屋探し中に毎日チェックすることで好条件の部屋が不意に現れることがあります。

ちなみに、「MixB」は物の売買や職探しにも使えるので便利である反面、職探しページではいわゆる「海外ノマド!ノートパソコン1台で稼げます」系の詐欺に近い募集も見受けられるのでお気をつけください。

(そういった投稿をされる方へ。若い方の素敵な芽をつぶすことは絶対にあってはなりません。くだらないことに人を巻き込むのは、とてもダサいことだと僕は思います)

 

僕の場合はこんな感じでした

参考になるかは分かりませんが、自身の体験談をまとめておきます。

僕の場合、部屋探し期間としてはトータル1ヶ月と1週間を要しました。当初3週間あれば良い部屋に出会ってビューイングをし、引っ越しまで終えられるだろうと考えていたので、想定よりも時間を要したことになります。

基本的に運とタイミング次第なので、人によると思いますが余裕はみたほうが良いと感じました。

使用したサイトは今回紹介したもの全て。まずはdaft.ieで気になる部屋のオーナーにメールを送り、並行してFacebookもだいたい毎日チェック・気になったものがあれば連絡ということをしていました。その結果としてビューイングには、daft.ie経由で4件、Facebook経由で2件行きました。あまり焦りはなかったので色んな部屋を見たり、多様な国籍の方たちと会えて楽しかったことを覚えています。

そうこうしているうちに自分の想定していた部屋探し期間を過ぎてしまい、当時滞在していたホームステイ先の滞在期間を2週間延期して、引き続き部屋探し。

そんなときにたまたま見たMixBの部屋探しコーナーに更新したての部屋があり、確認したところ好条件。さっそく連絡をし、翌日にビューイングをしその場で即決という流れでした。

部屋のカビが酷かったこととベッドがないことから、シングルルームで240ユーロ/月という安いお部屋だったのですが、検証したところカビは内装をいじってメンテナンスに気をつければ改善できる間取りだったことと、ハウスメイトがマットレスをくれるということだったので前述のデメリットは特に気になりませんでした。

決して広い部屋ではありませんが、ハウスメイトがたまにパンを焼いてくれたり、1階に住んでいるご家族に赤ちゃんが生まれて見るたびに幸せになったりしているので、僕が大切だと思うのは「どこに住むかよりも、どんな人たちと住むのか」ということ。思い出は、好きな人たちと作りたいものです。

 

以上、アイルランドでの部屋探し方法と、良い部屋に出会うコツについて経験を交えて書かせていただきました。

これからアイルランドに長期滞在される方、すでに滞在されている方にとってお役に立てば幸いです。

アイルランドワーホリ中、日本へ手紙を送る方法と料金について

こちらはアイルランドに滞在されている方。これから滞在予定の方への記事となります。

 

アイルランドのポストは緑である。

突然ですが、アイルランドのポストは緑色。さすが緑がシンボルカラーであるアイルランドです。

 

ここではアイルランドから日本へ手紙を送る手順について、まとめたいと思います。とはいえ、とても簡単なのでご安心を。

 

送り先・送り元の情報の書き方

正方形の封筒付きポストカードと、封筒に小ぶりの人形を入れて送るという少し特殊な事例をもとに解説します。

小ぶりの人形については、先日旅行に行ったチェコのお土産です。妻のために買ったお土産を、せっかくなら手紙と一緒に送ろうというシチュエーションです。

 

続いて住所の書き方です。

場所に決まりは無いのですが、左上に送り元である僕の住所。右下に送り先である妻の住所を記載しています。

そして、左下に赤字で書いているのは、「これは海外に送る手紙だよ」ということをハッキリ示すためのもの。大切な表示なので忘れないようにしてください。

 

あれ、日本の住所(送り先)、日本語で書いてない・・・?

 

実はここ、日本語で書いてしまっても大丈夫なんです。念のためポストオフィスで確認したところ「日本宛てのものということだけ分かればOKだよ」ということでした。

したがって、左下のエアメール表記に「To JAPAN」と添えています。たしかに考えてみれば、日本の細かい住所を知りたいのって日本に着いてから以降の日本人の配達員だけなので、日本の住所は日本語で書いたほうが親切なのかもしれません。

また、送り元のアイルランドの住所には斜線を引いています。間違って送り元住所に配達されることを防ぐため。

正直なところ、いやいやFrom/Toの表記があるから大丈夫でしょ・・・と思ったのですが、ポストオフィスのおじちゃん曰く「いや、斜線しといた方が良い」とのことでした。

 

封筒に詰めた状態がこちら。人形を入れた分、結構膨らんでいて大丈夫かな・・・という印象ですが、結論としては大丈夫でした。

 

送る準備ができたらポストオフィスへ

切手をすでにお持ちであれば、切手を貼ってポストに投函で問題ないのですが、多くの場合は切手をお持ちではないかと思います。

そこで、切手を入手しつつ手紙を送るために、まずはポストオフィスへ。いわゆる郵便局ですが、このように緑の「Post Office」と表記されたサインが目印です。

 

建物のなかに入ると並ぶ場所があるので並んで、カウンターに手紙を出します。そこで、サイズ・重量を確認され提示された料金の切手を購入、その場で切手を貼り手紙を手渡す。という流れになります。

 

ちなみに、案の定「この膨らみはなんだ?何を入れている?」となるわけですが、事前に撮っておいた人形の写真を見せつつ、危険なものではないことを伝えて無事に受け取っていただきました。

ちなみに、このとき「絶対壊れるって。もっと頑丈な封筒を買ったほうが良いって」『壊れ物じゃないし絶対大丈夫やって』「いやいや、海渡るしヤバイって。紙の封筒とか不安感すごいって」『絶対大丈夫やって。木製やし硬いし』と多少の問答があったので、押し負けない心の強さも少し必要なのかもしれません。

 

アイルランドから日本へ手紙を送る際の料金はこちらです。(2017.7.30時点)

参考:An Post Home. In Ireland, no one delivers more

なお、今回の場合は2.50ユーロでした。一般的なポストカードであれば1.35ユーロなので、その金額で日本へ手紙を出せるのは個人的には「想像以上に安い」という印象。

コーヒー1杯よりも安い金額で日本へ手紙を出すことができるので、たまにご家族へ手紙を書いてみるというのも良いアイルランドでの思い出になるのではないでしょうか。

 

以上、簡単ではありますが、どなたかのお役に立てば嬉しいです。

今やっていること、これからのこと少し

昨年末にアイルランドにきてから、早いものでもう7ヶ月が経とうとしています。滞在は1年間の予定なのですでに折り返しを迎えたことになる。

 

妻と一緒にお互いの国から毎日更新している「9hours」の数字を見ると、もうこんなに日数が経ったのかあと、時間の早さに驚かされます。 

 

さて。このエントリでは自分のなかでの考えの整理として、僕がアイルランドで今やっていること、そしてこれからのことを少しだけ書き残しておきます。

 

今やっていること、大きくふたつ

1. ダブリンにある語学学校の専属フォトグラファーをやっています

もともとこちらでローカルジョブをするつもりは無かったのですが、すっかり惚れてしまったアイルランドへの貢献につながると考えたから。

主な業務のひとつは、世界各国から語学学校にこられている生徒さんの撮影。学校が主催しているアクティビティや旅行に同行し、旅行先の魅力やたくさんの笑顔を撮影しています。

ポートレートは専門ではなかったため、人物を撮るということについては多くの学びと共に進めており、多くの国籍や文化の違いを越えて「どうすれば被写体との距離を縮められるか」を考えることはとても良い刺激になっています。

学校の訴求点とはサービスや価格が考えられますが、仮に僕が通いたい学校を探すとしたらその学校にどんな人がいるのか、そこに人の笑顔がどれだけ溢れているかを知りたい。という想いをもとに学校の人となりを写真を通して伝え、他国からこの学校に興味をもってくれる方を一人でも増やすこと。アイルランドにきてくれる方を増やすこと。それが学校ひいてはアイルランドにとって僕が貢献できることだと考えています。

人だけでなく建物も外せません。もうひとつ取り組んでいることは、周辺環境も含めた建物外観やインテリアなど空間の魅力を伝えること。

下の作例はマーケティング用のツールとして撮影した建物外観の写真です。特にこの学校では今年の始めに外壁の塗装補修を終えたばかりですが、せっかく綺麗に生まれ変わった建物の写真がないことが問題のひとつでした。

目の前に運河が流れる素敵なこの学校でのお仕事については、もう少しマーケティングに切り込んだ仕掛けを残したいと思いますので帰国まで全力で取り組みたいと思います。

 

2. 建築系スタートアップ・フリーランチさんとのお仕事を進めています

こちらは日本の企業とのお仕事について。建築・不動産業界を軸とした新しい働き方を提案する企業であるフリーランチさんは、建築に特化した転職エージェントや建築系企業の広報やマーケティング顧問など、建築業界での新しい領域の拡大に取り組まれています。

フリーランチさんが運営する建築系メディア「フリーランチ流仕事術」は、建築・建設・不動産業界について、ちゃんと本当のことを、お伝えされているとても貴重な場所であります。

個人的に、「『売れる』は設計できる」 という代表・納見さんの想いに共感しており、昨年に日本でお会いして以来、何か一緒にできればと考えていました。

今のところは海外から行うことができる事のみですが、長いお付き合いができれば幸いです。

 

これからのこと少し

話は変わりますが、VALUを始めました。

▶︎タナカユウキのVALU

「想いをもった個人と、応援をしてくれる方とを繋ぐ」というこのサービスから、評価経済の到来をいよいよ感じた方も多いことかと思います。

何かしらの挑戦をしたい方が資金的支援を受けやすくなるという側面もありますが、個人的には「応援してくださる方とつながり、そのつながりが可視化されること自体が、心地よく長く挑戦し続けるための原動力となる」というのが一番の魅力だと思いました。そういう意味では、たとえばこれから海外で挑戦したいことがある日本人の方にとっては、日本の応援者の方たちとつながる拠り所になりそう。そんなサービスです。

VALUを始めてみて少し驚いたことがあります。

それは建築家というカテゴリーの人の少なさ。僕が始めたこのタイミングでさえ、サービス開始からすでに2ヶ月が経とうとしていますが、建築家というカテゴリーに属している方がとても少ない。僕が応援したいなあと当初考えていた建築関係者は全くいませんでした。

大規模でないけれど素晴らしい建築を生み出し続けているローカルの設計事務所さんや、面白い取り組みをされている建築家さんたちを応援するのにうってつけのサービスだなあと感じていたので、それが出来ないもどかしさを感じます。

 

「売れる」を設計し「伝え方」を考えるということ

さて。VALUを例にあげましたが、これは当然といえば当然かもしれません。建築業界では「売れる」ための仕組みや「伝える」手法の設計については、他の業界に比べて遅れをとっていると思うのです。言い換えると、それを積極的に行おうという考えが薄い。もちろん今はまだその問題は顕在化していないし、本当に問題になってしまうのはまだ先の話だとも思います。

 

「建築」というと、一般的には「建物を設計する人」と「工事を取り仕切る監督」の大きくふたつの仕事がイメージされるのではないでしょうか。実際にはもっと細かく分別はされますが、こういった道の他にもう1つの道が開拓されるべきだと僕は考えています。

それは「マーケター」。つまりは「売れる」ための仕組みを考え、事例ごとに最適な「伝える」手法を設計する役割です。事例によってはコンセプトの再定義から行う必要があるだろうということから、コンセプターとも呼べるかもしれません。名前にこだわる必要はありませんが、この役割を担う領域が建築業界内で拡大する必要があります。

日本ではまだまだ新しい建物を建てる需要はありますが、長い目線で見ると、新しい建物を建てるという発想から、既存の建物をどう活かすか・どう長持ちさせるかという視点が今よりもさらに大切にされていくでしょう。

しかしながら「新しい建物を建てる」というイメージが湧きやすいこととは対照的に、「既存の建物の活かし方」とは手法が多岐に渡るうえに「そもそも何故それをやるべきなのか」「どういったメリットがあるのか」ということが、広く理解されづらいという背景がある。

後者の必要性が高まるにつれて、建築の専門家同士で理解するだけで良かった建築業界内では、知らない方・興味がない方に伝えることの重要性がさらに高まり「ひろく・やさしく・むだなく」伝えることができる役割が建築業界の分野のひとつとして必要になるはずです。

 

PRプランナーと建築系企業とのミスマッチを防ぐために

そのような背景もあり徐々にではありますが、売れるための伝え方の大切さについては建築業界でも注目がされ始めています。その結果、建築系企業のマーケティングの一環として「伝え方」のプロであるPRプランナーが起用されることがありますが、予想以上の成果が得られずミスマッチで終わることが少なくありません。

なぜならば、建築サービスが売れるための仕組みを考え、それを伝える手法を設計するためにはマーケティングだけではなく専門的な建築知識が必要になり、その壁を越えることが一般のPRプランナーにとっては難しいからです。

これはすごくもったいないことです。このようなミスマッチは、本来の実力を発揮できないPRプランナーと依頼主である建築系企業どちらをも不幸にしてしまいます。

こういった事象を減らすという視点でも、建築実務経験者を前提とした「伝える」プロが必要なのです。

もっと先の話をすれば、地震が多いという国柄と日本人の繊細な価値観から開発されている・そしてこれから世に出て行く新しい建築技術や素材は、海外からの需要もさらに高まるでしょう。そんなときに適切な伝え方をもって日本と海外をつなぐ役割も担うべきなのが、建築業界内に在籍するマーケターであると言えます。

 

建築家たちに、良い仕事をし続けてほしい

この発想の根源には「建築家という人たちが大好きだ」という個人的な理由がある。

売り方・伝え方が効果的でないという理由だけで、本当に素晴らしいアイデア・デザインが注目されず、本当に稼ぐべき方たちが稼ぐことができず、労働負荷や精神的なストレスで建築業界全体が疲弊してしまってはいけないと考えるからです。

修行という名目で過酷な労働環境や薄給が当たり前になってしまっている業界のルールも変わらなくてはいけないし、もっと言えば、デザインを生む分野での疲弊が、現場監督をはじめ建設現場に従事する方たちの過労につながるという事例もできる限り無くしたい。

個人的にもともと建築をデザインすることを志していたけれどそれが向いていないと諦めた立場である分、それを真剣にやっている方を尊敬しているし、その方たちの未来に貢献したい。

建築家や建築系企業が素晴らしいデザインやアイデアを生み出し続けるのであれば、「売れる」ための仕組みと「伝える」手法の設計についてはあとは任せてと胸を張って言いたいし、長い目で見るとそう言える人・それを行う領域が建築業界には必要なのです。

 

そんなに簡単な話じゃないよ?

そんなことが未来の建築業界を変える打ち手になるの?

 

それが難しいことくらい言われなくても分かってるよ。痛いほど。「この先、建築業界には『ひろく・やさしく一般の方に伝える』べき人が絶対必要になる!」って思い行動を始めたのが2年前。そして今、2年の歳月をかけて行動をしても何も変えられていない僕自身が、それが難しいことなんていちばん分かっています。

 

しかしながら、やっぱり僕はここまで書いてきたことがこれからの建築にとって必要だと考えているので、今自分にできること・やるべき事を淡々とやるまで。そう思っている次第です。

ネガティブなアドバイスをくださる方も含めて、将来必要とあれば僕が救いたい。なぜならば、素晴らしい建築を"つくって"いる方たちを本当に尊敬しているから。

 

思いのほか長くなってしまった。

 

キャリアについて考えたときに、キャリアに一貫性があったほうが良いかどうかという議論があります。特に専門性を高めるためにはキャリアに一貫性があったほうが当然良い。

ですが、凝りかたまった業界のなかに新しい領域をつくる場合、一見すると全く関係なさそうなことにも期間を定めて全力で取り組んでみるということが僕は大切だと信じています。

 

建築とは、人の暮らしの基盤です。そういう意味ではどれだけ道を逸れていそうでも建築に繋がっていく。なぜならば、人の暮らしの基盤だから。「建築」ひいては「暮らし」に貢献できたら僕は幸せです。

 

以上、アイルランドでの話と、これからのことを少し。今年いっぱいはもう少しだけ道草していきたいと思います。芯は持ちつつ。

 

生存確認先▶︎ 9hours – Medium

VALUアカウント▶︎ タナカユウキのVALU